労働保険・社会保険の手続き

労働保険・社会保険の必要性

労災・健康保険→ケガや病気に備えて

◆雇用保険→失業者を保護するため

◆介護保険→介護が必要になった時に備えて

◆厚生年金保険→定年後の生活の安定やケガや病気で障害が残った時に備えて

労働・社会保険とは、ケガ、病気、障害、死亡などの不測の事態や老後の生活に備えて、国民がお互いに助け合う制度です。

 

 

【社会保険】

社会保険の加入が必要な事業所

法人→すべての法人は加入義務あり

個人(農林水産業、理容、美容業、飲食店接客娯楽業等)→常時従業員を5人以上使用している事業所は加入義務あり

社会保険の被保険者

・社会保険の適用事業所で働く常勤の者(会社役員を含む)

・パートタイマー等については1日の労働時間及び1か月の労働日が正社員の3/4以上であること

 (1日の労働時間でみると)

一般労働者の3/4以上・・・1日8時間勤務の場合3/4の6時間以上勤務

(一月でみると)

一般労働者の3/4以上・・・一月22日勤務の場合3/4の16.5日以上勤務

*1日の勤務が6時間以上且つ、一月の勤務日数(22日勤務)が16.5日以上の場合に社会保険の被保険者となります。

*1日8時間勤務の者でも、一月15日勤務では原則として社会保険には加入できません(一月の基準3/4を満たさないため)。

 

 

【労働保険】

労働保険の加入が必要な事業所

労働保険は、原則として従業員を1人でも使用する場合は、法人・個人を問わず加入が義務ずけられていますが、個人事業の一部については任意加入となっています。

 

労災・雇用保険

・従業員が1人でもいる法人→雇用保険・労災保険の加入が義務あり

・従業員が1人でもいる個人事業所→農林水産業で従業員が5人未満→雇用保険は任意加入

・従業員が1人でもいる個人事業所→農林水産業で従業員が5人以上→雇用保険は加入義務あり

・従業員が1人でもいる個人事業所で次のいずれかに該当する場合は労災保険の加入は任意加入

  @農業で従業員が5人未満であり、危険または有害な作業を行わない

  A林業のうち常時従業員を使用せず、年間の延べ使用人数が300人未満

  B水産業で従業員5人未満であり、総トン数5トン未満の漁船による事業所または、災害発生のおそれの少ない特定水 面等において、主として操業する事業所

 

 

■労働保険・社会保険加入表

 

労働保険

 社会保険

 労災保険

 雇用保険

 法人(株式、有限等)

 強制加入

 強制加入

  強制加入

 個人事業(5人以上)

 強制加入

 強制加入

  強制加入

 個人事業(5人未満)

 強制加入

 強制加入

 任意加入

 個人事業(5人未満農林水産業)

 強制加入

 任意加入

 任意加入


 

【事例】

突然知り合いの税理士さんから「労働保険に入りたい事業所があるので手続きをしてほしい」と電話が入った。さっそくその日に製造業を営むT事業所に向かいお話を聞く。T事業所はすでに社会保険には加入済みで設立から3年ほど経過していた。どうして労働保険に入っていなかったのか訊くと一度は手続きをしに行ったそうです、しかし手続きの煩雑さ係官の態度等に嫌気がさして手続きを止めてしまったそうです。そんなことではいけないので労働保険の必要性を説明し至急加入手続きをすることになった。翌日大慌てで必要書類作成し登記簿謄本をとり夕方労働基準監督署、公共職業安定所とまわりなんとか労働保険手続きを終了した。現実とは恐ろしいもので翌日T事業所従業員が仕事場の事故により死亡!!

たった1日のことでT事業所は、亡くなられた方には申し訳ありませんが労災保険で対応することができました。もし労働保険加入がもう1日遅れていたらT事業所は亡くなられた従業員に対しすべての補償をT事業所で行わなければならなかったことでしょう。

 

 

労災給付の種類

@療養(補償)給付

労働者が業務上または通勤により療養を必要とする場合に行われ、現物給付としての「療養の給付」と現金給付としての「療養の費用の支給」の2種類がある。

「療養の給付」・・・労災指定病院等で受診した場合には、原則として傷病が治癒するまでの間、無料で療養を受けられる、現物による給付です。

「療養の費用の支給」・・・労災病院や労災指定病院以外で療養を受けた場合等において支払った費用を現金で支給する。

 

A休業(補償)給付

労働者が業務上の事由又は通勤による傷病の療養のために休業し、賃金を受けない日の第4日目以降から支給される。(ただし、業務災害の場合、休業初日から3日間は事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償を行わなければならない)

この場合、休業1日につき給付基礎日額の60%が休業(補償)給付として支給されれ、労働福祉事業として給付基礎日額の20%が特別支給金として支給あれます。

 

(給付基礎日額)

 給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。この平均賃金とは、原則として、業務上又は通勤による負傷や死亡の原因となった事故が発生した日又は医師の診断によって疾病の発生が確定した日(賃金締切日が定められているときは、その日の直前の賃金締切日)の直前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った1暦日当たりの賃金額のことです。

 

B傷病(補償)給付

療養開始後1年6ヵ月経過しても治癒せず、傷病等級(第1級〜第3級)に該当するときに、職権で給付を決定し、支給額については、日額の313日〜245日分が年金として支給。

 

C障害(補償)給付

傷病が治癒したときに身体に一定の障害が残った場合、障害等級第1級〜第7級の場合は、給付基礎日額の313日分〜131日分の障害(補償)年金が、また第8級〜第14級の場合には給付基礎日額の503日〜56日分の障害(補償)一時金が支給されます。

他に障害(補償)年金差額一時金、障害(補償)年金前払い一時金があります。

 

D遺族(補償)給付

労働者が業務上の事由又は通勤により死亡した場合に支給され、遺族(補償)年金と遺族(補償)一時金の2種類があります。労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた一定の遺族の範囲に対し遺族(補償)年金が、年金受給権者がいない場合には、一定の範囲の遺族に対して、給付基礎日額の1,000日分の遺族(補償)一時金が支給されます。

 

E葬祭料(葬祭給付)

葬祭を行った者に対し315,000円+給付基礎日額の30日分又は給付基礎日額の60日分のいずれか高いほうが支給されます。

 

F介護(補償)給付

一定の障害により傷病(補償)年金又は障害(補償)年金を受給し、かつ、現に介護を受けている場合に、月を単位として支給されます。

 

G二次健康診断等給付

労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の結果、血圧、血中脂質、血糖、肥満の4項目すべてに異常の所見が認められた場合には、二次健康診断及び特定保健指導を受けることができる(既に脳・心疾患の病状を有しているものを除く)

 

  (二次健康診断)

    ・空腹時血中脂質検査

    ・空腹時血糖検査

    ・ヘモグロビンA1C検査

    ・負荷心電図検査又は胸部超音波検査

    ・頸部超音波検査

    ・微量アルブミン検査

 

  (特定保健指導)

    ・栄養指導

    ・運動指導

    ・生活指導

 

Hそのほか@CDの場合一定額の特別支給金と特別給与を基礎とする特別年金や特別一時金が支給されます。

  (社会復帰促進等事業)

    ・被災労働者の療養後における円滑な社会復帰を促進するため

     義肢等補装具の購入(修理)に要した費用の支給、後遺障害に対するアフターケア等

    ・被災労働者及びその遺族等の援護を図るため

      労災修学援護費、労災就労保育援護費等

    ・その他労働者の福祉の増進を図るための事業

 


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